いつ俺〜いつから俺ができないと錯覚していた?〜

社会人ブロガー。大手メーカーでソフトウェア開発をしている人。プログラミングは結構得意。

【妄想】高専ではなく共学の普通高校に入学してたらどんな恋愛をしたかな

f:id:shun_prog0929:20160508175728j:plain

 

ふと思ったんだよね。自分が共学の普通高校に入学してたらどんな恋愛をしただろうって。

 

高専に通っていたからクラスでの恋愛とか全然なかったんだよね。だから、同級生と恋したりってのに、憧れみたいなものはあるんだ。

 

というわけで、妄想してみたわけです。

 

高専ではなく共学の普通高校に入学してたらどんな恋愛をしたかな

※以下は共学の普通高校に通うぼく視点でお送りする妄想の世界です

 

 

 

ぼくが、毎朝誰よりも早く登校するのには、理由がある。

 

ちょっぴり冷んやりとした空気とか、地平線から登りかけてる太陽とか、誰もいない校庭とか、校舎とか、そのどれもが好き。

 

だけど、それらは多分ただの口実。だって、そのどれよりも好きで、そして大切な時間があって、だからこそぼくは毎朝早く学校に行くのだから。

 

ぼくが教室の扉を開くと、そこには案の定誰もいない。これが日常。いつも通りの光景。

 

ほのかに差し込む日の光だけがぼくを迎えてくれる。そして、そんな誰もいない教室で一番最初に席に着く、この瞬間がとても好きだ。世界の全てが、ぼくのものであるかのように感じてしまう。それはすごく大げさだってわかってはいる。でもやっぱり好きな瞬間。

 

 

けど、まだここじゃない。ぼくが求めてやまない時間は、もう少し先にある。

 

 

 

 

カチッ・・・カチッ・・・

 

 

 

時計の音だけが教室に響きながら、ぼくは隣の席を見つめ、そしてつぶやいてしまった。

 

「・・・はやく来ないかな」

 

 

 

次の瞬間、教室の後方から聞こえる扉の開く音。

 

 

振り向いたぼくの目に映ったのは、紺色のセーラー服に身を包み、肩のあたりまで伸ばした髪を揺らしながら教室に入ってくる彼女だった。

 

ぼくが待ち望んでいた人。

 

 

ぼくは、どうしようもなく見惚れてしまい、彼女が隣の席に着くまでの間、声も出せずにいた。

 

やばい。おはようくらい、言わなきゃ。

 

 

「・・・おはよう」

 

そんなぼくの微かな声に、彼女は一瞬遅れてこちらを向き、そして笑顔で応えてくれる。

 

「うん。おはよう」

 

そんな彼女に、ぼくはやっぱり見惚れてしまっていた。

 

 

彼女はいつものように本を取り出し、そしてぼくもその後に続くようにして本を取り出す。ぼくたちの間に言葉はなく、教室にはやはり時計の音だけが鳴り響く。

 

これが、僕の待ち望んだ時間。言葉なんて交わせなくても、いいんだ。

 

 

 

自分の飛び出んばかりの心臓の音が、彼女に聞やしないか。

自分の顔が赤くなっているのを不審がられてないか。

自分のこの気持ちが、彼女に伝わってしまわないか。

 

少し心配性のぼくが考えるのは、せいぜいこんなことくらいだ。

 

 

けど、ほんの少しなら、ぼくのこの気持ちが彼女に伝わって、彼女も同じ気持ちになってくれないだろうか、なんて考えてしまってもいいよね。

 

 

 

 

まあ、現実ではそんなこと起こるわけもなく、ただ、時間だけが過ぎるばかりなんだけどさ。この瞬間がすごく好きで、同時にちょっぴり切なくて、それでもやっぱり大好き。ああ、この時間が永遠に続けばいいのに。なんてバカなことを思ってしまう。

 

 

 

「ねえ・・・」

 

 

そんなことを考えている最中、彼女の声がぼくの耳に入った。

 

うわ、やばい。もしかして考えていること声に出てたりしたか。いやいや、そんなはずないよな。けどなんか彼女、顔を赤らめてるし何をやらかしてしまったんだ、ぼくは。いやいやいや、落ち着け。

 

けれど、落ち着けるはずがない。だって、いつも挨拶以外は一言も交わすことなく、みんなが教室にやってくるのを待つだけ。こんな状況、想定外。

 

「な、なに?」

 

声が震えないように必死に抑えながら、それでも震えてしまう声で、必死に応える。

 

 

「あのさ、私、君のこと・・・」

 

 

 

 

 ぼくの心臓が、最大に高まったその時・・・

 

 

 

ガラガラッ

 

 

そんな教室の扉が開くと同時に、担任の教師が入ってくる。最悪なタイミングだ。

 

そう思ったけど、彼女は小声で、

 

「放課後、続きいい?」

 

 

なんて言うからぼくはドキドキしっぱなしだった。

 

おはようございますとか、まあ事務的な言葉を交わしながら、彼女が何を言おうとしたのかどうしても気になってしまう。当然今日の授業は何も頭に入ってこなかった。

 

 

 

 

そして放課後。

 

ぼくと彼女は、やはり二人で教室にいた。朝とは真逆の方向から夕日が差し込み、教室は赤く染まっている。けどぼくの顔はもっと赤く染まってることだろう。 

 

 

「えっと、ごめんね。放課後まで残ってもらっちゃって」

 

それまで彼女の方を見れなかったけど、声をかけられてつい彼女の方を向いてしまい、そのまま彼女と目が合ってしまった。なんとなく、目を合わせたままでいないといけない気がして、ぼくは彼女のことをずっと見つめていた。どことなく、顔が赤い気がするけど、夕日のせいだろうな、と思う。

 

「えっと、朝の続きなんだけどね」

 

彼女はどんどん話を進めていく。ぼくは、うん、とか気の入らない返事しかできていなかった。高まる心臓の鼓動を抑えるので精一杯だったんだ。

 

 

「あのね、私、君のこと好き、なんだ」

 

好き、なんだ。

って、おいおい。やばい。これは夢か何かか。彼女が、ぼくのことを好きだって。

 

「だから、付き合ってください」

 

ぼくの目をまっすぐ見つめて、彼女はそう、言った。

 

すごく嬉しい。嬉しいことだけど、これじゃダメだ。

 

 

「・・・ごめんなさい」

 

ぼくから出た言葉に、彼女はすごく悲しそうな顔をした。

 

「そっか。そうだよね。ごめんね」

 

そう言って、彼女はぼくに背を向け、帰ろうとする。

ダメだ。このまま終わっちゃ、ダメだ。

 

「待って! 違うんだ。違くて」

 

おいおい! 男だろ。こんな時くらい勇気を出せ。

 

「えっとさ、そうじゃなくて、ぼく、君のことが大好きです。だからぼくから言わせてほしい」

 

ぼくのその言葉に、肩を震わせながら、一瞬の間の後に彼女は振り返った。 彼女の顔は、驚きと、困惑の表情でいっぱいだ。少し、涙で瞳が潤んでいる。

 

ぼくは、覚悟を決めた。今、言うんだ。

 

 

 

「ぼくと付き合ってください」

 

 

彼女は、ほんの少しの沈黙の間にこぼれ落ちる涙を拭うと、しっかりとした声で応えてくれた。

 

 

「はい」

 

 

あまりにも自然で綺麗な彼女の笑顔。

きっとこの瞬間を、ぼくは一生忘れられない。

 

 

終わりに

多分、こんな恋愛をしたはず。

・・・それか、こんな妄想をしてたはず。そっちのがありそうで悲しい。

 

共学のみんなはどんな恋愛したんだい!?

気になる。気になる。気になる。気になる。気になるよなぁ!? 

そんな感じ!